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覚悟

何を「幸せ」と感じるかは人によって異なる。資本主義社会においては特に、「お金」が「幸せ」の尺度の一つになりやすい。「お金」を手に入れるために、人は何かを犠牲にする。それは「時間」だったり、「健康」だったり、「友人」「恋人」「家族」だったり、「名誉」や「尊厳」や「自由」だったりする。一般に、捧げるものが多くあるいは重いほど、得られる報酬も大きい。

仕事柄、様々な先生に出会う。皆、多忙だ。なかには、忙しければ忙しいほど生き生きしてくる人もいる。かなりの仕事量をこなしているはずなのに、いつ会っても疲れている様子がない。「この人、3人ぐらいいるんじゃないの?」と思わずにはいられない。一方、それと同等の仕事量にすっかり「忙殺」されてしまっている人もいる。明らかに覇気がなく、顔色が悪い。それでもそこに立っている。立っていられる。どちらのタイプにせよ、彼らはそれなりの代償を支払い、似たような対価を得ている。

彼らと私を隔てるモノは何か。結局のところ、「覚悟」なのだろう。彼らはかなりのモノを犠牲にする「覚悟」をもって今の位置にいる。私が今現在持ち合わせているちっぽけな「覚悟」で、彼らと同じ第一線に立てば、あっという間に疲弊することは誰よりもよくわかっている。一年ももたずに「忙殺」どころか、心身に異常をきたすに違いない。要するにアマちゃんなのだ。アマちゃんはアマちゃんらしく、数歩下がった今のような位置がふさわしい。

「ワーク・ライフ・バランス」という言葉がある。「仕事と生活の調和」と訳される。「覚悟」というのは、仕事と生活の「調和点」に似ている。仕事が生活だという人がいるが、こういうタイプの場合、既に仕事と生活自体が一致しているため、わざわざ「調和点」を定める必要がない。言い換えれば、「調和点」に気づかないまま仕事をし、生活している。そうでないタイプの場合、何らかの要因によって「調和点」を求め、定めている。

私の場合、「調和点」は今、かなり「生活寄り」にある。言い換えれば、「仕事」から割と離れた位置にある。それでも、赤字を出さず、健康で文化的な日常を送っていられるのだから、考えようによっては「幸せ」だ。しかし、その一方で不安とは常に隣り合わせである。特に、老後の不安は尽きない。このまま老いていっても、悠々自適に年金生活とはいかない。ぃゃ、娘一人、大卒まで育て上げられるかすら、不安だ。何しろ、幼稚園ですらやっとなのだ。

しかしながら、調和点が「生活寄り」にあるということは、つまり、まだ「仕事寄り」にシフトできる余地を残しているとも言える。どこかで舵を切る必要があるだろう。今の私にはまだその「覚悟」はない。仮にあったとしても、能力と資格がない。ただ、「覚悟を決める覚悟」はできている。そして、そのタイミングはきっと、「家族」が握っているのではないか、と思っている。歳とともに、「家族」のあり方は変わっていく。やがて私にも「仕事寄りの調和点」が求められるときが確実に来る。そのときにはきっと、資格と能力も整っていて、舵を切る覚悟ができるのだろうと思う。

だから、「そのとき」に備え、今は研鑽を積もうと思う。研鑽を積み、少しずつ前進しようと思う。そんな覚悟をしながら、10を表す3本のろうそくと1を表す2本のろうそくにともる、5つの小さな炎を、一息に、勢いよく吹き消したのだった。
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