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鎌倉概論 編集後記 3

円覚寺の次にやってきたのがここ、建長寺である。右の写真は三門上部に掲げられているもの。「建長興国禅寺(けんちょうこうこくぜんじ)」と読めるが、これが正式な寺号なのだそうだ。さすが鎌倉五山の第一位なだけあって、誠に見事なお寺であったと言える。「総門-三門-仏殿-法堂(はっとう)-方丈が一直線に並ぶ伽藍配置は、創建当時の面影を残すもの」らしいのだが、これは拝観する側にとっても非常に効率が良く、機能美とも言える。開基である第5代執権北条時頼と、開山の蘭渓道隆の先見の明に脱帽させられる。歴史等の詳しい解説は、公式HPとWikipediaに譲ることにするが、鎌倉五山の第一位にしては、第二位の円覚寺のHPと比べると、どうにもショボい気がするのは私だけではあるまい。

 法堂から方丈へと至る途中に、松が数本植えられていた。それ自体は大して珍しいことではないのだが、そこに花が付いていたので、思わず足を止め、写真を撮ってしまった。接写モードにしてもなかなかピントが合ってくれず、5分ほどかかってやっと撮影できたものでも結局はピンボケしているのだから、ひょっとしたらそもそも撮影者がボケていた可能性すら否めない。ちなみに、小さな赤紫色のもの2つが雌花で、その下の長いのが雄花なのだそうである。恥ずかしながら、今までここまで色鮮やかな雌花を間近で見たことがなかった私にとっては、非常に嬉しい体験となった。このときちょうど雨が止んだのもまた、嬉しい追い討ちであった。

誰もいない方丈の内部は陰鬱としていて暗い。方丈は「竜王殿」とも呼ばれるのだそうであるが、なるほど、竜でも出てきそうな雰囲気すらある。それでもどこか気持ちが落ち着くのは、そこに立ち込めるお香の匂いのせいなのか、長々と敷き詰められた畳のせいなのか、誰かが座っているようにすら感じられる座布団のせいなのか。本編に載せた庭園の写真は、この方丈のものである。庭園は夢窓疎石の作と伝えられている。その庭園を望む楼閣は「得月楼」と言うのだそうだ。天に浮かぶ月を得ようとしたのではなく、きっと、庭園の水面に浮かぶ月を得るために建てられたのだろう。そんなことを思い浮かべながら(かどうかはわからないが)、じっと庭園を眺め、ウグイスの鳴き声に耳を傾けていた午後。とても眠かったのを覚えている。

◆ 建長寺(公式HP):http://www.kenchoji.com/
◆ 建長寺(Wikipedia):http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BB%BA%E9%95%B7%E5%AF%BA
◆ 鎌倉概論:http://www.geocities.jp/transistor_ufo_plus/egodiarySP45.html

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