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小樽概論 1

 8月3日(金)午前8時54分。無事に遅れることなく札幌に到着した我々は、そのまま同じホームで次の電車を待っていました。実はこの日の目的地は札幌ではなく、小樽だったのです。午前9時13分。ホームに入ってきた快速エアポート81号に乗り込み、一路小樽へ45分の惰眠。今回の旅で初めて知ったんですが、小樽の読み方は「おたる」の“た”を強く発音するのが(少なくとも駅の構内放送では)正しいようです。これからはそう言おうと誓いましたが、最初はなかなか直らなくて苦労しましたよ。さて、そんな小樽に到着すると生憎の空模様。小雨も少々ちらついています。我々が泊まるホテルは駅からまっすぐ歩くこと約7分、運河沿いに建つ「ホテルノルド小樽」(ここについては後ほど)。まだチェックインの時間ではなかったので、とりあえず荷物だけ預けて身軽にし、街へと繰り出すことにしました。この頃には雨も止んでいて一安心。最初は運河沿いを歩いて運河公園方面へ。小樽は高校2年生のときに修学旅行で来ているはずなんですが、ほとんど何も覚えていない自分に愕然としましたね。唯一覚えているのは寿司が美味かったことぐらい(苦笑)

運河公園は小樽運河の北の果てにあります。枯れた噴水を中心に割りと大きな広場があり、隅っこの方にちょっとした遊具やベンチがちらほら。風情のある古い倉庫もいくつかあって、それだけでも見ていて絵になるんですが、我々が行きたかったのは、その運河公園の目の前にある「旧日本郵船株式会社小樽支店」。外観もなかなか風情があります(上段右の写真が外観)。明治37年着工、同39年10月に落成した近世ヨーロッパ復興様式の石造2階建建築とのこと。昭和59年10月修復工事着工、33カ月の工期を経て62年6月竣工。ほぼ完全に修復された重要文化財。外観も素敵なんですが、内部もとっても素敵です。中段右の写真が1階営業室。ご覧のように床から天井まで隙のない造り。机も照明も立派で、当時の繁栄振りをうかがわせます。こんなところで仕事してたら、落ち着かないですけどね。広すぎ。そして、中段左の写真が2階会議室。畳にして60畳分のカーペットはもちろん1枚敷き。どうやって織ったのか、いくらかかったのか、疑問は尽きません。怖い怖い。机は3つか4つ繋げているそうですが、テーブルクロスは1枚敷きだそうですよ。怖い怖い。

 そしてこちらが2階の貴賓室。当時の賓客はまずこの建物を訪れて、ここでおもてなしを受けたとか。港からも近く、一番豪華な建物だったようですからね。それもうなずけます。さて、この部屋の壁紙の一部が金色に輝いているのがお分かりでしょうか。実はこれ、この部分だけが修復された部分で、他は敢えて修復しないでいるんだそうです。というのも、この金色の部分、本物の金箔なんです。「金唐革紙(きんからかわかみ)」というもので、当時はヨーロッパに輸出もされていたという代物。金というのは酸化しやすいので今では真っ黒になってしまったようですが、それはそれで味があっていいし、なにより高くてとてもじゃないけど全面修復は不可能ということで、一部のみ修復されたようです。ちなみに、先ほどの会議室の壁も同じ素材でできています。当時は全面黄金色だったなんて・・・想像もつきません。でも、そんな壁紙に米兵は平気でマッチをこすり付けて火をつけていたとか。今でもその痕が生々しく何箇所にもわたって残されています。

・・・というようなお話を、ボランティアらしきおばちゃんに説明してもらって、この建物と当時の歴史を満喫。思っていたよりたっぷり楽しんでしまいました。さて、外に出てみるといつの間にかもうすぐお昼。どの店に入って何を食べるかは特に決めていなかったので、とりあえず街の中心部に移動がてら、観光して周ることにしました。そしてこの決断がさらなる意外な楽しみを招くことになったのです。

<次回へ続きます>

旧日本郵船株式会社小樽支店:http://www.city.otaru.hokkaido.jp/kyouiku/yusen/yusen.htm

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