

そんなわけで、夕方、日も落ちかけの頃に琵琶瀬小学校前のバス停から、くしろバスに乗り込んだ我々。ここから2時間かけて釧路駅を目指します。っていうか、フツーの路線バスが2時間も走ってしまうっていうところに、北海道のスケールの大きさを感じてしまいますね。だって、ちょっと町を抜ければ、山を一つ越えないと次のバス停ないですから。次のバス停まで15分とか20分とか、ザラです。でも、この濃い霧の中、山道を颯爽と駆け抜けるバス。いいですよ、これ。しかも乗ってるのはごく少数。区間によっては我々しか乗っていないところもあったり。ま、私は半分近く眠りこけてたんですが、嫁さんは全区間しっかりと覚醒して、このバスの様子を堪能していたようです。そんなくしろバスも、2時間かけてようやく釧路駅前に到着。周囲は既に真っ暗。ふと運賃表を見ると、なんと一人2100円。しかし、ここで問題が発生。野口英世も夏目漱石もいません。参りました、確認不足でした。5000円札と10000円札しかありません。それを運転手さんに告げると、じゃぁ、あそこの事務所に行って払ってきてください、と指差した先にはこのバス会社の営業所が。これで事なきを得た我々。ちゃんとお金を払い、すぐ目の前の予約していたホテルにチェックイン。荷物を置いて一息つくと、夕飯を食べに再び外へ出ました。


今回釧路に来るにあたり、釧路で何を食べるかというのを調べて初めて知ったんですが、「
炉端焼き」が有名なんだそうですね。有名というか、ここ釧路がそもそも発祥の地だとか。釧路駅から南へ徒歩15分ぐらいでしょうか。栄町というあたりが飲食店が多くて文字通り栄えているんですが、その辺りに炉端焼きのお店が何軒かあります。我々は特にどのお店というわけでもなく、それっぽいお店があったら行ってみて、店構えで入るかどうか決めようということで、ふらふら歩いていると、嫁さんが「あったよ!」と一言。見てみると、なかなか素敵な店構えです(上段写真左)。これはもう入るしかないだろう、と勇んで入ってみると、客席はほぼ満席。しかし、奥の方に2名分座れるところがあったため、我々はそこへ通されました。後で知ったことですが、実はこのお店、まさに炉端焼き発祥のお店なんだそうです。ご覧のように、店の中央の大きな囲炉裏を使って、2代目というお婆ちゃんが汗だくになって魚介類や野菜類を焼いてくれます(上段写真右)。客席はそれを取り囲むようにしての全席カウンター。店内の照明は薄暗く、誰も見ていないTVだけがこうこうと明かりを放っています。メニューを見ると、品目名だけが書かれ、値段が書かれていないところがまた恐怖感をあおりますが、入ってしまったものはしょうがない、我々はどんどんと注文することにしました。


生ビールはフツーに出てきたんですが、嫁さんが注文したウーロン茶が缶で出てきたのには驚きましたね。360ml缶のウーロン茶とグラスを置かれた瞬間には我々の目は点になってたと思います。そんな炉端焼き発祥の店「炉ばた」。ここにきたらまず注文して欲しいのは中段写真右の「ホッケ」。むちゃくちゃでかいです。一人ならこれと白いご飯だけでお腹いっぱいになりそうなぐらい。この大きさからして味も大味なのかと思いきや、そこはしっかり繊細なホッケの味を楽しむことができます。中段写真左は「イカの自家製生姜味噌焼き」。生姜の風味がふわ~っと利いててイイんですが、ちょっと味噌が甘めかな。もう少し糖分を控えてくれると嬉しいですね。その他、アスパラバター焼きや、ホタテの塩焼き(これがサイコーに美味い!)なんかを経て、大きなシイタケ焼きを注文(下段写真左)。時期がまだ早いですから、うなるほどの美味しさではなかったですが、ま、アリっちゃアリですね。そして最後に頼んだのが下段写真右の「シシャモ」。確かに美味しかったですが、こうして焼かれて出てきてしまうと、これが本当に本物のシシャモ(柳葉魚)なのかは私には分かりません。一般にいわゆる“子持ちシシャモ”として食べられているのは輸入ものの「カラフトシシャモ(英名:カペリン)」という魚で、柳葉魚とは全く別の魚です。ただ、柳葉魚の漁期は10月とのことですから、おそらくこれはカペリンの方でしょうかね(「カペリン」って、かわいいよね)。
ま、何はともあれ、炉端焼き発祥の店で炉端焼きを楽しめたことに違いはありません。実際すごく美味しかったですし。ただ、焼き物ばかりが続いたので、口の中をスッキリさせたくなり、途中コンビニでデザートを買ってホテルへ戻りました。そして、翌朝、今度は一気に函館まで向かいます。
<次回へ続きます>
釧路「炉ばた」:
http://www.robata.cc/
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